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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:畠山有香

食ライフのプロにインタビューこのシリーズはand.で活躍する食のクリエイターたちの“いま”を探るべく、普段の飾らない素顔や仕事内容をのぞいてみました。プロだからこそ知るテクニックや裏事情は、目からウロコ!知って得する情報も盛りだくさんでご紹介していく連載です。
今回、担当してくれたのはフリーアナウンサー・フードコーディネーターの畠山有香さん。
撮影はフォトグラファー浦野航気が担当しました。

 

肩書:フリーアナウンサー・フードコーディネーター

カフェ経営をしながら、フリーアナウンサー、フードコーディネーターという肩書をお持ちの畠山有香さんは、伝えたい気持ちを自在に操る“言葉の魔術師”です。長年アナウンサーとして培ったノウハウは、目からウロコ!人の心をわしづかみにする話術を、ほんの少しだけ教えていただきました。

 

言葉を使って表現する仕事

foodconcieruge…元々は、NHKでアナウンサーをされていたとのことですが、現在はフリーのアナウンサー・フードコーディネーター、カフェの経営までされているとのこと。お忙しい毎日かと思いますが、なぜ三足の草鞋を履くことになったのですか?

畠山さん…たくさんの世界をみてみたくて、プロダクションに入ってフリーのアナウンサーになりました。10年後に突然、所属事務所の社長が会社を辞めると言い出して(笑)。

foodconcieruge…えぇ~!それは、また青天の霹靂でしたね。

畠山さん…家庭のことなどいろいろと考えた挙句、事務所には入らずに今までの人脈でお声がかかった時に活動するような、完全なるフリーに転身しました。

foodconcieruge…そうだったのですね。フリーのアナウンサーをされながら、食の世界に興味を持たれたきっかけは何かあったのですか?

畠山さん…局アナ時代から、テレビの料理番組やラジオ番組などを担当していました。

foodconcieruge…ラジオの料理番組ですか? テレビと違ってラジオはビジュアルがない分、伝えるのが難しそうですね。

畠山さん…そうなのです。しかも、シェフと電話で話しをしながら食レポをするというものでした(笑)。料理のポイントを聞き出してより分かりやすく説明していくような番組だったので…。

foodconcieruge…さらに難易度が高そうですね。

畠山さん…ラジオの前のリスナーは、見ることも聞くこともできない。その中で、いろいろな言葉を屈指して視聴者にとって、いかに分かりやすく表現するかというのは毎回の課題でした。でも、食の世界は楽しい!と、いろいろと学ばせていただきました。

foodconcieruge…楽しいと思われたのは、どのようなところですか?

畠山さん…私たちが情報を受け取るときに最も重要な要素は「視覚」であることはよく知られていますよね。
内容を伝えるためにも、まずビジュアルで相手を引き付ける。放送業界的にいうと、「掴み」です。
そういった意味でもラジオは掴みがないのでとても大変でもあり、面白くもあります。
美味しそうなビジュアルをリスナーの頭の中に描けるか、まったく描けないか、しゃべり手の力量で終わってしまうわけですから。

foodconcieruge…想像力の手助け。というところでしょうか?

畠山さん…ファーストインプレッションは3秒で決まる。これは、人でも食べ物でも一緒だと思っています。
一瞬できれいとか美味しそうと思ってもらえれば、どんどんこちらに興味を持ってもらえます。それは写真でも同じですよね。
視覚の次にくるのは聴覚。美味しいそうな画面に肉の焼ける音や、天ぷらを揚げる音、ビールを注ぐ音、聞くだけで胃袋が刺激されるはずです。ラジオでは、この音や私の体感を言葉にしながら映像をリスナーの頭の中に描くわけです。私は、フードコーディネーターとしても、アナウンサーとしても、視覚や聴覚にもアプローチしていきたいと思っています。

好きを仕事に

foodconcieruge…アナウンサーをされながら、製菓衛生士の専門学校に2年間通われたと伺いました。

畠山さん…アナウンサーも何か特化したところがないと生き残っていけません。
スポーツ専門のアナウンサーとか、芸能レポーターとかジャンルは多岐に渡りますけれども。
私の得意を探した時に、食べることも好きだし、お料理番組も楽しかったなぁと。もう少し勉強してみようと思いました。仮に仕事につながらなかったとしても、食べることは一生のことですよね。私たち人間にとって、とても大切なことだから人生において無駄にはならないと思って勉強をはじめました。

foodconcieruge…アナウンサーのお仕事もされながら、学生さんだったわけですよね? それは大変だったのではないですか??

畠山さん…楽しかったです(笑)。その時は、アナウンサーの仕事がメインで、プラスαするための勉強でしたが、そこで製菓栄養士としての資格をとりました。無事に資格を習得することはできたけれど、次に学校に行っただけでは経験を積むことはできないと思ったわけです。

foodconcieruge…資格を持っているだけでは、活躍の場を広げるのは難しいと思われたのですね。

畠山さん…そうです。そんな時に、某クッキングスクール講師の募集をみつけて、応募したところ採用になりました。

foodconcieruge…お料理教室の講師といえば、喋りも上手でかつ料理ができなくていけない。となると、畠山さんにぴったりな仕事ですね!

畠山さん…料理教室の講師をさせていただきながら、料理の勉強もしつつ、その間にフードコーディネーターの学校にも通っていました。

foodconcieruge…アナウンサーも続けながらですか?

畠山さん…はい(笑)。その時もアナウンサーとしてのスキルアップとして通っていました。

foodconcieruge…すごく充実した毎日だったとは思いますが、かなりお忙しそうですね。

畠山さん…そうしている間に、テレビ局の友人から「カフェをやりたいのだけれど、一緒にやらない?」とお誘いがあったのです。私が、料理教室の講師をしていることは話していなかったのに…。

畠山さん…友人は、古いお家が大好きなのですが、その時も建て壊す予定の古い米軍ハウスを見つけてきて、素敵な物件が建て壊されるのが忍びないといって、すでに借りてしまっていたのです。
で、お金を生み出す場所にしなければ、ということで私をパートナーに選んだようです。相談されてすぐにカフェを共同経営することを決めました。

foodconcieruge…ご友人もですが、畠山さんの決断力も素晴らしいですね。

畠山さん…そこからカフェメニューを考えるのは、すべて私が担当することになりました。そのうち、お店の方が忙しくなってきたので、料理教室の講師は辞めましてカフェ経営とアナウンサーをしていました。ある時、カフェに取材にきたカメラマンから「フードコーディネーターのお仕事をしていただけませんか?」と、お誘いを受けることになったのです。

foodconcieruge…まさに、引き寄せですよね~。畠山さんのお話を伺っていると、動いた先に無駄なことは何もないと思えてきます。それで、三足の草鞋を履くことになったのですね。

畠山さん…いまは、食のお仕事が楽しくて、楽しくて! 私なりにもっと食の仕事を深めていきたいという気持ちがどんどん湧いてきているところです。

 

表現者として “伝える” 魅力

foodconcieruge…畠山さんにとって、フードコーディネーターのお仕事で魅力を感じているところはどこですか?

畠山さん…写真の仕事では、視覚以外の五感は封印されます。1枚の写真の中にすべての情報を詰めなければいけません。メーカーさんが開発した商品を消費者に届けるために、素材や味などを視覚だけで表現していくわけです。とっても難しい仕事ではあります。通常フードコーディネーターは裏方として動くことが多いですが、私は、一人の表現者として、メーカーさんやデザイナー、スタッフなど多くの方々と同じように世の中の求めている人に情報としてどのように届けたら一番、伝わりやすいのかを常に考えます。実際に、画となってできあがった時に人々が関心を抱いて、手に取り、食べてくれる。そこで、美味しいとか、素敵とか、喜んでいただけることがこの仕事の魅力だと思うのです。

foodconcieruge…広告撮影では、フードコーディネーターさんの意見に助けられることも本当に多いですよね。

畠山さん…食べ物は、生き物です。言葉もそうですが、時代と共に変わっていくじゃないですか。時間とか、温度とか、空気感とか…。そういうものって、その場にいなければ感じないし、生まれない。打合せの時にクライアントさんの意向を聞いても、現場でよりよく見せるために変更することも多いです。もちろん、ご意向はしっかりと伺いながら、「もっとよくなったね!」と、カメラマンさんやデザイナーさんも含めて関わってくださっているみなさんが喜んでくださるように作り上げていきたいという思いは強いです。方向性はそのままで、より納得のいくものを作っていきたいです。

foodconcieruge…期待を超えるような、お仕事をしたいということですね。

畠山さん…その想いって、受け取った方には絶対に伝わると信じているのです。仕上がりは、ウェブや紙でしかないとしても、温度感は伝わるはずです。二次元だけれども、三次元、四次元になって伝わってほしいという願いを込めながら取り組んでいます。

foodconcieruge…畠山さんが、フードコーディネーターのお仕事を楽しみながらされている様子がとてもよく伝わりました。他にも動画やテレビ番組、お料理教室など「声」のお仕事については、どのような魅力を感じていますか? ナレーションなど、別世界のお仕事なので興味があります。

畠山さん…。ナレーションは、抑揚とか強調すべき個所など話しわけがいろいろとあり大変ですが、そこがプロとしての見せ場でもあり醍醐味です。

foodconcieruge…書き言葉と、読み言葉の違いなどはあるのでしょうか?

畠山さん…ありますね。専門用語では、「読み原」と「書き原」というのですが、読み物としての原稿の句読点と、アナウンサーが原稿をもらって自分で打つ句読点の箇所は、全然違います。息継ぎの位置もありますが、どうしてもここで切ってしまうと意味が伝わりにくいとなった場合は、頑張って長いブレスで一気に読むこともあります。アナウンサーは、滑舌も含めて、ある程度は長い文章を息継ぎなしで読めるように訓練を重ねていくのです。視聴者は、耳で聞くので、分からない内容にならないように意味で区切っていくのです。

foodconcieruge…意味で区切る、ですか。とても興味深い話です。

畠山さん…読むのではなく、伝えるのです。どうしても読むという意識になってしまう方が多いので、読むのではなく、伝えることが大切。読むと伝わらないので、伝えるのです。私が気に入っている表現としては、「相手に触るつもりで(話すこと)」。

foodconcieruge…いい表現ですね!

畠山さん…原稿を読んでいる前に、誰か相手がいるわけではないのですが、その誰かをイメージするのです。実際には、その人を触ることはできないけれど、声で触るつもりでいつも話しています。

foodconcieruge…声で触る…。イメージされた相手に寄り添って語り掛ける感じですか?

畠山さん…そうです。そうです。ここが大事よ、って。目を見て話しかけるようなイメージで、語り掛けるように話しています。

foodconcieruge…一時期はレシピ動画がとても流行していましたが、レシピ動画などのお仕事でも同じスタイルのナレーションなのでしょうか?

畠山さん…効果的なナレーションの方法は実は別にあります。
ナレーターさんそれぞれで違いはありますが、私流でのポイントは読むのではなく伝えること。実は音声をつければ、効果があるかというとそういうわけではなく、ポイントを押さえて使わなければかえって逆効果になる場合もあるのです。

foodconcieruge…音声1つにしても、本当に難しいのですね。

畠山さん…細かい表現方法やテクニックには様々あり、それらを使いこなすためには練習と経験が必要です。
ブレスの使い方、間の取り方、声のトーン、スピード、強弱、明暗など、すべてを使いわけていく。声のテクニックのみではなく、映像と文章をうまくリンクさせ、より適切でわかりやすいワードを選択していくというのはディレクションの領域ですが、時にはナレーターの判断でおこなっていくこともあります。

foodconcieruge…同じメニューでも映像次第で雰囲気は、随分と変わる時がありますものね。同じ料理なのに、メニュー名も変わるくらい!

畠山さん…お店の雰囲気や写真の雰囲気、トーンに寄せて声色を変えることもあります。

foodconcieruge…今回、畠山さんのカフェで一押しのメニュー「ミートローフ」を使って、何か試してみることはできますか?

畠山さん…フォトグラファーさんと相談しつつ、ライティングやコーディネートを2パターン撮影してもらいますね。それぞれにメニュー名やコメント、ナレーションを付けるとしたら、次のような展開になります。

↑「フレンチシック・ミートローフ」
本来アメリカの家庭料理であるミートローフもレシピや盛り付けのアレンジでぐっとおしゃれ。爽やかなライティングと構図が女性を笑顔にする魔法をかけてくれます。赤ワインを使ったソースもジューシーなミートローフを引き立てます。

↑「オールドファッション・ミートローフ」
古き良き時代のアメリカを感じさせるミートローフには、パン粉ではなくオートミールの粉が混ぜ込まれ、しっかりした肉のうまみを味合うことができます。陰影をつけたライティングと男性目線に近いカメラポジションでミートローフの厚みを見せ、食欲をそそります。ナイフをいれた瞬間の溢れる肉汁を感じさせてくれます。

foodconcieruge…なるほど!!さすがプロの話術です。同じレシピなのに、アプローチが全く異なりますね! まるで違うメニューに見えてきました~!

まだまだ聞きたい会話術もたくさんありますが、今日はここまでに。畠山さんのお仕事にご興味のある方は、ぜひhueまでお問い合わせくださいね!

ご協力いただいた食のクリエイター


<畠山有香/フリーアナウンサー・フードコーディネーター>

NHKキャスターを経て、フリーアナウンサーとしてテレビ、ラジオはもちろんナレーション、司会など幅広く担当。料理番組を担当したことがきっかけとなり、「食」に興味を持ち、専門学校へ通い製菓衛生士取得。アナウンサーの傍ら、フードコーディネーター、調理師免許を取得。クッキングスクールの講師を経験した後、現在はカフェの経営、フードコーディネーターとして活動。
資格:調理師・製菓衛生士・フードコーディネーター・食生活アドバイザー

川越晃子/たべものライター&編集<川越晃子/たべものライター&編集>

出版社勤務後、フリーランスへ。食の取材を中心とした本の企画・構成をはじめ、レシピ作成やスタイリングを含めたトータルコーディネートなどを手掛けている。“食べるものによって、人の体も心も育まれる”という考えをモットーに、食べ物の裏側にある環境や農業、栄養学にも関心が高い。
著書に、日本の食文化をまとめた『おにぎり』、『まるベジ・ドリンク』共にグラフィック社刊などがある。
現在、フードスタイリスト、料理カメラマンとの女性3人のフードユニット「Soup Caravan」を結成中。

畠山さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:ナレーション、登壇、商品企画・開発、レシピ作成、パッケージ広告フードスタイリング など

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【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社アマナ

創設1979年4月28日
所在地本社:東京都品川区東品川2-2-43
主な事業内容ビジュアルコミュニケーション事業
資本金1,097百万円
従業員数(連結)1,107名※2020年1月1日現在
URLhttps://amana.jp