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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:山本由里子

hue andで活躍する食のクリエイターにインタビュー!
フード業界にてさまざまな活動をするクリエイターは、どのようにその職業に就いたのでしょうか。これまでの経歴や仕事に対する思い、これからやっていきたいことなど、クリエイターの内なる部分にスポットを当てる「and people」。

今回は、“一手間で簡単料理が華やかになる”ことを提案している料理家・山本由里子さんにお話を伺いました。
撮影を担当したのは、フォトグラファーの浦野航気です。

肩書:料理家・Delice Kitchen主宰/山本由里子さん

大手料理教室でのレッスン経験を経て独立した山本さん。はじめは料理へのこだわりと思いが強く、難しいレシピの提案ばかりしていたと言います。なかなか集客できなかった経験を活かし、誰もが手軽にでき、さらに一手間かけることで料理が楽しくなるようなレシピの開発をはじめました。料理が楽しいことを伝えたい、という思いで精力的に活動している山本さんに、料理の魅力を伺いました。

季節の果物とスペアリブの煮込みーー意外な組み合わせのおいしさ

ジャズとクラシックの音楽家であるご両親のもとで育った山本さんのおいしい料理の記憶は、ちいさな頃の外食にあると教えてくださいました。どんなお料理に出会ったのでしょうか。

山本さん・・・両親ともアーティストなので、子どものころから週末の夜はライブ会場にいるような生活をしていました。ライブ後のイベントの打ち上げではちょっと特別な食生活をしていたと思います

Foodconcierge・・・覚えている印象的な食べ物はありますか?

山本さん・・ハンバーグにいちごのコンポートのようなソースがかかっていたものをよく覚えています。それがとってもおいしくて。ハンバーグにいちごが合うなんて! って衝撃を受けて、違和感があるような組み合わせでもおいしくすることができるんだなあ、ってそのときに知りました。

Foodconcierge・・・山本さんも違和感のある組み合わせで何かレシピを作ったことはありますか?

山本さん・・スペアリブを煮込むときに季節の果物を入れて、圧力鍋にかけるレシピを作ったことがあります。甘じょっぱさがおいしい一品なんですよ。実はわたし、フィンガーフードのように繊細に作っていく料理は苦手で……。材料を切ってパッと煮込むだけでできる! というような手軽なお料理を、大皿にドーンと盛りつけるのが好きなんです


Foodconcierge・・・そうなんですか?! パンやお菓子のような細かい調理もとてもおじょうずなのに、意外です

山本さん・・パン作りもするのですが、あくまでもお料理を楽しむ脇役として考えているんです。今もパン作りやお菓子作りを教えることがありますが、料理を作って余った時間で、とか、お料理と一緒にいただきたいから、というテーマでお教えしています。もともと理系なので、科学的にレシピを意識するのが好きで

Foodconcierge・・・なるほど! 科学的根拠に基づいてレシピを見ることができるんですね

山本さん・・もともとは理系出身で分析の仕事をしていたんです。
料理を作るときは、この理系脳が役立っているかもしれません。料理のコツを科学的な視点から見るため、何度も試作しなくてもイメージできたり

Foodconcierge・・・そこからなぜ料理の世界にいったのでしょうか?

山本さん・・はじめは、仕事をしながら料理教室に通っていたんです。必死に料理を学ぶというよりは、花嫁修行的な気持ちと、料理教室って楽しいな、というだけでした。そこから8年通うことになるんですが、だんだんと料理がおもしろくなってきて、料理教室を運営する側のまわろうと転職したんです

Foodconcierge・・・実際に指導する立場に変わってみて、どうでしたか?

山本さん・・とても楽しくて学ぶことが多い職場でした。生徒さんから、“帰ってもう一度作ってみる”と言っていただけたり、おいしかったと感謝されたり……。料理だけでなく、パンやお菓子作りも教えられたので、それぞれに楽しさがありました。ただ、だんだん自分に実力がついてくると、自分のやり方で教えたくなってくるんです。でもお教室にはお教室のマニュアルがあって、それに沿って答えなくてはならないルールがあります。そこで少し葛藤があり、「Delice Kitchen」を掲げて独立することにしました。

プラス一手間で気持ちも味も変わる! 料理の楽しさを伝える教室

もともとアーティストのご両親のもとで育ったこともあって、フリーランスという働き方はイメージできていたそう。何か資格があった方がいいと思い、製パンの資格や料理教室の運営の仕方を学びました。

Foodconcierge・・・はじめての教室運営はどうでしたか?

山本さん・・・最初は大失敗でしたね。料理に込めた思いが強すぎて、お塩はこれがいい、しっかり下ごしらえをって作り込みすぎてしまって、全然集客に繋がりませんでした。難しくて手間がかかる料理には興味を持ってもらえないんだと途中でわかりましたが、プライドもあってなかなかそこから抜け出せなくて

Foodconcierge・・・どうやって気持ちを切り替えたのでしょうか?

山本さん・・・自分は料理で何を伝えたいんだろうって、ずっと考えていたんです。そんなとき、フードスタイリストのマロンさんの料理イベントに参加して、プロの料理ってこういうものだと思いました

Foodconcierge・・・どんなイベントだったのでしょう?

山本さん・・・マロンさんのデモンストレーションをみんなで見るようなイベントだったのですが、まずマロンさんがとても楽しそうになさっていて。参加者もみんなニコニコしていて、もうそれだけで料理がおいしくなるような雰囲気でした。手際や効率もよく、エンターテインメントとして料理を捉えられるような場で、料理で感動を与えることができるんだ! って、開眼したできごとだったんです

Foodconcierge・・・なかなかそういう出会いはないですよね

山本さん・・・そうですね。もっと自分は学ばなくてはならないと思い、事務所の方にアシスタントにしてもらえないかと掛け合ったんです。人気の方ですから、もう枠はいっぱいだと断られてしまったのですが、あるホームパーティーにマロンさんがいらっしゃると聞き、そのときにマロンさんと直接お話することができました。そこから個人的にお世話になっています。

Foodconcierge・・・料理に対する思いが変わりましたか?

山本さん・・・変わりましたね。料理って、誰でもできるものなんだということに改めて気づきました。プロがするような本格的な料理や、チンして時短で作る料理、科学的に調味料の配合を考えたものなど、さまざまなバリエーションがあって、いろんな方が料理家として働いていて。そういう方はもちろん、主婦や学生さんまで料理好きな方たちとみんなで何かできないかなとマロンさんと考えて、「パスキャチ」というレシピをみんなで繋ぐような活動をしています。今後はメンバーの方とたくさんのイベントを通して、料理の楽しさをつないでいきたいですね。

Foodconcierge・・・今はどんなふうにレシピ開発なさっていますか?

山本さん・・・忙しい中で料理している方のためにも、手軽においしいものができるようにということを念頭に置いています。単なる手抜きでは悲しいので、そこに一手間加えることで本格的な味を再現できるように考えています。

Foodconcierge・・・たとえばどんなお料理がありますか?

山本さん・・・そうですね。焼きそばって、ご家庭でもよく作るお昼ごはんだと思うのですが、そこにちょっとオイスターソースやめんつゆを隠し味に入れることで、屋台で食べるようにコクと深みのある味に仕上がります。

Foodconcierge・・・それはおいしそうですね。

山本さん・・・オイスターソースはそんなに出番がある調味料ではありませんが、それだけなら準備できそうですよね。以前のようにいくつもこだわりの調味料を用意しなくてはできないレシピではなく、ひとつだけ自分なりのこだわりを持ってレシピを作るようにしています。調味料だったり、ちょっとだけ手間をかけることだったり。そうすることでご自宅でも作っていただきやすいことがわかりました

料理の世界で働く夢を叶えるために

行動力のある山本さんは、いいなと思う料理家さんのところには自分でアクセスし、学びたいものはとことん学ぶ真摯な方。でも実は、とある挫折を経験したからこその今なのだそうです。

Foodconcierge・・・コロナ禍でさまざまな料理教室が閉めざるを得なくなりましたが、山本さんはどのような活動をなさっていましたか?

山本さん・・・オンライン授業というスタイルで料理教室をひらくようになりました。ただ、現在わたしが育児中で、外出自粛期間は幼稚園も開いていなかったことがあったので、動画配信する形を取りました

Foodconcierge・・・いわゆるYouTuberの料理動画のようなことでしょうか?

山本さん・・・そうですね。まずわたしが料理する動画を撮影して、受講者さんにお送りします。それを見ていただいてから、オンラインで繋がって動画に沿ってお話させていただく形です。動画を見てわからなかった部分も質問していただくのですが、なかなかこれが効率よくて。わたしのほうは動画さえ撮ってしまえば、何度でも同じレシピでさまざまな方に教えることができます。受講者さんは好きな時間に見ていただくことができるので、時間や場所に縛られなくて済みますし、動画を見て作っていただいてからオンライン授業することもできるので、自分でやってわからなかったポイントに絞って聞くこともできます

Foodconcierge・・・なるほど! 料理教室の運営の仕方としても無駄がなくていいですね

山本さん・・・実は料理教室の先生に向けて、料理教室の運営の仕方についてコンサルもしているんです。ビジネスや経営の仕方は、わたしもわからないことばかりなので、もっとビジネスセンスを磨いていきたいなと思っているところなのですが、自分がしてきたことを伝えるだけならと、教えさせていただいています

Foodconcierge・・・山本さんのバイタリティーに驚きました。なぜそんなに行動力があるのでしょう? 子どもの頃からですか?

山本さん・・・そうですか!? ありがとうございます。実はわたし、昔は音楽家を目指していたんです。でもそれが叶わなくて、何をして生きていけばいいのか模索していた時期もあって。料理の仕事をはじめるようになってやっと、“これだ”と思えたので、この夢をちゃんと叶えたくて

Foodconcierge・・・そうだったのですね。

山本さん・・・あとは本当に、料理の楽しさを単純にみなさんに知っていただきたいんです。作ってみるワクワク感や、おいしいと思ったものを作ってできあがった喜び、食べた家族においしいって言ってもらえる嬉しさを、たくさんの方に感じていただけたらいいなあと思っています

Foodconcierge・・・インスタグラムで発信しているのは、すべて山本さんが撮影なさっているのですか?

山本さん・・・そうなんです。自宅ですからたくさんの食器でコーディネートできるわけではないのですが、100円ショップで買ったものやバザーでいただいたものなどでも、スタイリングがじょうずにできるよ、ということもお伝えしたいです。写真は勉強したわけではないのですが、人の真似をして撮ってみています


Foodconcierge・・・今後はどんな活動をしていきたいですか?

山本さん・・・いちばんは、料理が楽しいって言ってもらえるような仕事をしたいです。料理教室でもレシピ開発でもイベントでも、わたしが料理する姿を見て、楽しそうだからやってみたいなと思っていただけるようなきっかけづくりができたら何よりです

インスタグラムには、外食のように見栄えがするのに簡単に作れるレシピがいっぱい。山本家のお皿を使ったスタイリングもさまざまなバリエーションが見られて勉強になります。見ているだけで料理が楽しくなりますよ

ご協力いただいたクリエイター

山本由里子さん/料理家・Delice Kitchen主宰

大手料理教室の営業として勤務し、製菓製パン・料理の講師としても活躍。マニュアルではない指導がしたいと独立し、Delice Kitchenを立ち上げ、料理家としての活動をスタートさせる。現在は、料理教室(オンラインでも対応)をひらきながら、各メディアでのレシピ開発やイベントでの料理レッスンなどもしている。
https://www.delicekitchensite.com/

 

吉川愛歩/料理ライター

出版社で勤務したのち、フリーライターに。子育てや暮らしにまつわる記事を執筆するなかで、得意な料理にジャンルを絞って活動するように。ライターとして食にまつわる記事やコピーを執筆する傍ら、料理家としてレシピ開発やフード撮影の調理、ケータリング業や出張料理も行っている。
 

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【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社アマナ

創設1979年4月28日
所在地本社:東京都品川区東品川2-2-43
主な事業内容ビジュアルコミュニケーション事業
資本金1,097百万円
従業員数(連結)1,107名※2020年1月1日現在
URLhttps://amana.jp