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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:上野亮

hue andで活躍する食のクリエイターにインタビュー!
フード業界にてさまざまな活動をするクリエイターは、どのようにその職業に就いたのでしょうか。これまでの経歴や仕事に対する思い、これからやっていきたいことなど、クリエイターの内なる部分にスポットを当てる「and people」。

今回は、ベルリン在住でフードスタイリストとしてもモデルとしても活躍している上野亮さんにお話を伺いました。
撮影は、上野亮さんとともに“berlin food stylistics”として活動している写真家の四方花林さんです。

肩書:フードスタイリスト・モデル/上野亮さん

東京でモデルとして働きながら、飲食店でキッチン担当として活動していた上野さん。はじめて訪れたヨーロッパの景色と食に心を奪われ、活動の拠点をベルリンに移します。現在は、日本に年に数度帰国して国内の仕事もこなしつつ、ベルリンをはじめヨーロッパでの活動の幅を広げているといいます。

選択肢の多いベルリンの食文化

もともとどこか別の国で働いてみたいという思いを持っていたという上野さん。一緒に働いていた方に誘われ、ベルリンに降り立ったときに、ここだ、と思ったそう。

Foodconcierge・・・どんなところに魅力を感じたんでしょうか?

上野さん・・・僕は長野出身なんですが、ベルリンと長野には似たところがあるんですよね。緑が多くて、ノウサギやリスがいて、自然の中にちょっとした都会があるような場所で。

Foodconcierge・・・訪れてすぐに、移住しよう! という感じだったんですか?

上野さん・・・そうですね。はじめは2週間ステイしたのですが、生活を見せてもらううち、ここだなと。

Foodconcierge・・・ベルリンの食生活ってどんな感じなんでしょうか?

上野さん・・日本とのいちばんの違いは、オーガニックものがそう高い値段ではないので、一般消費者が買いやすいところでしょうか。食事だけでなく、日用品や洋服にもオーガニック製品があり、いずれも手軽に手に入れることができます。普通の商品との価格差はありますが、ほんのちょっと高いかな、という程度なので、たとえば食材によってこれはオーガニックで買おう、と選ぶことができたり、生野菜でいただくものだけオーガニック、みたいなチョイスができるようになります。

Foodconcierge・・・たしかに、日本ではわりと値が張ってしまいますし、都心でないとそもそも手に入れるのが難しいかもしれないですね。

上野さん・・他にも、アレルギーやヴィーガンなど、食事の多様性もかなりしっかり認知されているので、ほとんどのカフェやレストランでヴィーガンのメニューがあるんです。だから普段ヴィーガンを意識していない方でも、今日はヴィーガンのものを食べようかなというふうに気分で選ぶこともできるんですよ。

Foodconcierge・・・日本食のお店もあるんでしょうか?

上野さん・・ありますよ。ヴィーガンの方に向けて、カツオや煮干しを使ったおだしの他に、ドライトマトやしいたけなど、植物性のうまみでとったおだしを用意しているところもあります。

Foodconcierge・・・ドライトマトのおだし、おいしそうですね。ところで、ベルリンの郷土料理ってどんなものでしょうか?

上野さん・・いろいろありますが、メジャーなのはやっぱりケバブでしょうか。ケバブってもともとトルコのものなんですが、よく日本でも見かけるような、ピタパンに野菜とお肉が入っているものは、ベルリン発祥なんです。街の至るところにケバブ屋さんがありますよ。あとはカリーヴルストといって、揚げたソーセージにカレー粉とケチャップをかけたもの。これもおいしいですよ。

Foodconcierge・・・なんだか上野さんのお話を聞いていると、とっても住みやすそうですね。ベルリンでは、食材のトレンドって何かありますか?

上野さん・・住みやすいですよ! 東京よりも物価が安く、自然もいっぱいで環境がとってもいいところです。トレンドは、そうですね。日本のように何かがヒットしたり流行したりという文化そのものが薄いかもしれません。人それぞれでよい、という精神が根付いているので、周りと同じものを好む傾向も少ないんですよね。そういうところも、自分の好みや嗜好を大切に考えられて、住みやすいところのひとつでもあります。

ベルリンと日本、仕事のスタイルに違いは?!

そんな新しい土地で、上野さんは奥さまである写真家の四方花林さんと“berlin food stylistics”を立ち上げます。上野さんが調理とスタイリングを担当し、四方さんが写真を撮った作品で展示もひらきました。

Foodconcierge・・・ベルリンでのお仕事って、日本とどんな違いがありますか?

上野さん・・いちばんは働き方でしょうか。撮影のタイムスケジュールがかなりしっかり決まっていて、仕事を効率よく終わらせられるようになっています。もちろん残業もありません。それから撮影当日までの連絡の取り方にもベルリンらしさを感じますね。

Foodconcierge・・・連絡の取り方ですか?

上野さん・・そうなんです。日本はエージェントが入ったり、プロデューサーとはやりとりできるけどフォトグラファーとはやりとりできない、みたいなルールがあることが多いですよね。ベルリンで働きはじめて驚いたのは、誰からも直接連絡がくるということ。だからとてもコミュニケーションがスムーズです。

Foodconcierge・・・なるほど。それは確かに当日の仕事の進め方にもかなり関わってきますね。スタイリングの好みも日本とは違いますか?

上野さん・・そこはまたクライアントや個々によるところもあると思いますが、日本ではわりと明るく綺麗に撮られたお料理の写真が好まれるように思います。一方ベルリンでのお仕事では、やや暗めの照明でムードを感じるようなものが好まれる気がします。また、料理だけ、お皿の中だけでなく、少し引いた写真でライフスタイルも料理と一緒に見せていくような写真をオーダーされることが多いですね。味だけでなく、そのお料理がある空間や場所のセンスが問われている感じです。

Foodconcierge・・・そうなると、スタイリングもテーブルウェアにとどまらず、空間デザインのようなお仕事になっていきそうですね。

上野さん・・そうですね。コロナ禍になったこともあって、そういう空間込みでスタイリングし、こちらで撮影したものを日本に納品させていただくこともあります。以前はギリシャヨーグルトの広告撮影をギリシャでして、リモートで確認を取りながら進めさせていただいたことがありましたよ。こちらからはすぐにギリシャまで行けますが、日本からだと大変なロケになるので、こういうお仕事の仕方もいいなと思いました。ヨーロッパの生活や雰囲気を写真にのせて届けることができるのは強みですね。

Foodconcierge・・・普段は、奥さまである四方花林さんが撮影なさっているのですか?

上野さん・・“berlin food stylistics”として活動するときはふたりで作品づくりをしています。
四方さん・・普段はもっと抽象的な作品を撮影しているのですが、お料理の写真はふたりで考えています。

Foodconcierge・・・どんなところからおふたりでの活動がはじまったのでしょうか?

四方さん・・かなり前のことですが、わたしの誕生日にバースデーケーキを作ってくれたことがあったんです。スタイリングがとてもきれいで、“こういう仕事もいいんじゃない?”って言ったのがはじまりです。ふたりの作品で写真展をしたところ、先ほどのヨーグルトのお仕事とも繋がりを持つことができました。

得意なことをぜんぶやる! というワークスタイル


上野さんは、フードスタイリストとしての顔以外に、モデルとしても現役で活躍しています。コロナ禍で帰国の回数は減らしているそうですが、日本での仕事も引き続き行っているといいます。

Foodconcierge・・・日本ではどのようなお仕事をなさっていますか?

上野さん・・モデルの仕事をお受けしたり、あとはレストランのメニュー監修やケータリングも行っています。こちらで学んだ食文化と、もともと持っている日本食のよさをこれからレシピとして発信していけたらと思っています。

Foodconcierge・・・最後に、ベルリンにくるならこれを食べておくべし! というおすすめがあったら教えてください。

上野さん・・やっぱりこちらにいらしたらドイツ料理は食べていただきたいです。友だちが来たときはビアガーデンにも連れていくんですけど、クロイツベルクという街にある生パスタがおいしいお店も好きでよく連れていきますよ。直行便がないのでベルリンまで15時間くらいかかり、移動は大変なんですが、ぜひ来ていただきたい街です。

こんなご時世だからこそ、海外の空気が感じられる食べものや写真、アートに心が惹かれるものです。外国がずいぶん遠くなってしまったように感じるからこそ、改めてその素晴らしさを感じるこの頃。ヨーロッパの香りが伝わってくる上野さんの写真を見ていたら、また海外旅行に出かけられる日が待ち遠しくなりました。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

上野亮さん/フードスタイリスト・モデル

モデルとして雑誌や広告にて活動をしながら、 渋谷、中目黒、南青山にあるカフェやビストロで7年間勤務。 ヨーロッパ料理の知識を深める為に、2017年にベルリンに拠点を移す。 ライフスタイル、自然、光をキーワードに”berlin food stylistics”として新しいレシピ開発 やライフスタイルを感じさせる食空間を創り続ける。ロンドンと東京で展示を開催。 日本での撮影だけでなく、ヨーロッパ在住を活かしたフルリモート撮影を行う。 日本のヨーグルトブランド、ファストフードチェーンの広告。ベルリンとニューヨークで 発売されているカフェのレシピ本。レストランのブランチメニュー監修など、様々なスタ イリングプロジェクトに携わっている。
https://www.berlinfoodstylistics.com
https://www.instagram.com/berlinfoodstylistics/
https://www.instagram.com/ueno_ryo/

 

吉川愛歩/料理ライター

出版社で勤務したのち、フリーライターに。子育てや暮らしにまつわる記事を執筆するなかで、得意な料理にジャンルを絞って活動するように。ライターとして食にまつわる記事やコピーを執筆する傍ら、料理家としてレシピ開発やフード撮影の調理、ケータリング業や出張料理も行っている。
 

上野さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:撮影 レシピ提供 ベルリン料理についてなど 

CONTACT

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【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社アマナ

創設1979年4月28日
所在地本社:東京都品川区東品川2-2-43
主な事業内容ビジュアルコミュニケーション事業
資本金1,097百万円
従業員数(連結)1,107名※2020年1月1日現在
URLhttps://amana.jp