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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:松島由恵

hue andで活躍する食のクリエイターにインタビュー!
フード業界にてさまざまな活動をするクリエイターは、どのようにその職業に就いたのでしょうか。これまでの経歴や仕事に対する思い、これからやっていきたいことなど、クリエイターの内なる部分にスポットを当てる「and people」。

今回は、ケータリングフードで人気の松島由恵さんにお話を伺いました。
撮影はフォトグラファー近藤恵佑が担当しました。

肩書:料理家・dorathefood主宰/松島由恵さん

「こんなに料理が上手なんだから、ケータリングの仕事をしてみない?」と、友だちからオーダーをもらったことをきっかけに料理家への道を切り開いた松島さん。建築士として長年働いていた会社を去り、フランス料理店でアルバイトをしながら、ワインや料理の知識を培っていきましたが、そのときすでに36歳。それでも好きな仕事を選び、凛と生きる松島さんのお料理には、迷いのなさがありました。

背中を押してくれた友だちへのケータリング

料理家になる前から、味や食材についてはこだわりがあった松島さん。そのルーツは、味噌や梅干しを手作りするお母さんの姿を見ながら育ったことと、自然豊かな盛岡で育ったことにありました。

松島さん…生まれ育った盛岡は農業がさかんで、オリジナルのブランド米もさまざまある街でした。そのせいか、東京に出てきたばかりのときは、外食してもお米の味に馴染めなくて食べられなかったんです。まだ若かったので、いいお店に行けなかったことも原因だと思いますが……

Foodconcierge…お勤めになっているときから、料理や食への関心が高かったのでしょうか?

松島さん…お酒を飲むのが好きなので、おつまみを作って友だちに振る舞うことは日常的にしていました。建築士としての仕事を続けていくか悩んでいたとき、わたしの料理をよく食べてくれていた友だちから、「料理の仕事をすればいいのに」と言われて、本気で考えるようになったんです
matushima
Foodconcierge…そこではじめてケータリングのお仕事を受けられたんですね。

松島さん…そうなんです。最初にご依頼いただいたのは、10人分のお弁当でした。もともとお酒に合うようなものを作るのが得意だったので、お弁当となるとまた違ったアプローチが必要だなと考えて、本番の日まで毎日お弁当の試作を繰り返していました

Foodconcierge…結果はどうでしたか?

松島さん…すごくおいしかったと言ってもらえて、とても嬉しかったんですけど、作り終わったあとのキッチンは泥棒が入ったみたいに散々な状態でしたね(笑)。手際もよくないし、作業工程もうまく考えられていないから、もうバタバタ。でも、すごくいい経験をさせていただきました

Foodconcierge…お弁当のじょうずな詰め方のコツはなんでしょうか?

松島さん…よく聞くのは、お弁当箱の端から詰めてしまうパターンなのですが、これだと空間を埋めていくのが難しくなるんです。ごはんを詰めたあとはメイン食材を中心に置き、その周りを埋めていくように、他のお惣菜を入れていくと上手に詰められると思いますよ

Foodconcierge…今日はそんなエピソードから、ケータリングのお弁当を作っていただきました。

◆あえて一色にトーンを合わせたマゼンタ弁当

・お弁当のポイント
松島さんのお弁当はユニーク。さまざまな色合いを取り入れられるようにおかずを決めるのではなく、食材のトーンを一色に合わせて作ることもあるそう。無理にミニトマトで赤い差し色を入れなくても、お洋服の合わせ方を考えるように取り合わせを考えていくと、自然とおいしそうなお弁当になります

フレンチレストランで学んだこと

お弁当のケータリングを終えた後は、3日間続く展示会へケータリングフードを届けるという偉業を成し遂げた松島さん。その後、料理の知識を増やすため、フランス料理店でのアルバイトをはじめます。

Foodconcierge…まず、展示会へのケータリングはどんなようすでしたか?

松島さん…アパレルに勤める友人からのオーダーだったのですが、毎日友人が感想を書いたレポートをくれたんです。おいしかったよと背中を押してくれ、それが自信につながりました

Foodconcierge…フランス料理店でアルバイトをはじめたのは、どうしてですか?

松島さん…わたしは料理教室に通い続けて学んだわけではないし、レパートリーや知識はまだまだ足りなかったので、修行したいと思って。ただ、36歳で未経験ですから、片っ端から断られました。でも妥協したお店で働いても意味がないし、ちゃんと自分が学びたいと思えるお店で勉強させていただきたくて。そんな中で、あるフレンチレストランから来ていいよと声をかけていただきました

Foodconcierge…どんなことを学びましたか?

松島さん…まず、ワインは本当にたくさんの数をテイスティングさせていただけました。普段自分のお金では飲めないような価格のものも試すことができましたね。料理については、たとえばパテドカンパーニュは自分でも作っていたけれど、なんとなく味が決まらなくて、外のレストランで食べた方がおいしいなと思っていたんですね。でもレストランで実際に作り方を学んでみて、ああ、そうだったのかとわかったり

Foodconcierge…今の松島さんのお料理を支える土台になっている経験なのですね。

松島さん…フレンチを意識して作ることはないのですが、要素は大切にしながら料理しています

Foodconcierge…普段、ペアリングを意識してお料理されていますか?

松島さん…そうですね。ワインでも赤と白、ロゼとでは似合う料理が変わってきますので、相性を考えながら作ります。ケータリングのときにワインもいっしょに選んでお持ちすることもありますよ。

Foodconcierge…赤白はわりとイメージがつくのですが、ロゼっていったいどんなお料理に合わせたらいいんでしょう?

松島さん…ロゼは、あまりワインを飲まない地域のお料理と合わせるのがオススメです。なかでも中華に使うスパイスととても相性がいいので、今回はロゼワインに合わせて「プラムと赤玉ねぎの黒酢酢豚」を作ってみました

◆プラムと赤玉ねぎの黒酢酢豚

・お料理のポイント
スパイスを使った料理は難しいと思われがちですが、一度使い方をマスターしてしまえば、家でも本格的な味を楽しむことができます。

スタイリングはお洋服を合わせるように

松島さんは現在、スタイリングやレシピ制作をメインに活動していますが、オーダーによってはお弁当やケータリングを引き受けることもあるそう。

Foodconcierge…今はおひとりでお料理されているのですか?

松島さん…そうなんです。あまりにも多いケータリングのときは、配達や料理を並べたりするアシスタントに入ってもらうときもあるのですが、料理は全部ひとりで作っています。まだ子どもが小さいので、自分の生活も大事にしつつお仕事しています

Foodconcierge…お料理を作るとき、どんなふうにレシピを考えているのでしょうか?

松島さん…そうですねえ。一番は、自分が食べたいと思うものを作ることでしょうか。頻繁に作って慣れているものは楽なんですけど自分が飽きちゃっているので(笑)、作るときのモチベーションが低くなっちゃいそうで。自分が食べたい! という思いを大事にしています。あとはもう、農家さんから届く野菜をじーっと見て考えたり、スーパーをうろうろして悩んだり

Foodconcierge…特別なオーダーもありますか?

松島さん…グルテンフリーやベジタリアンの方、GI値が低い、糖質オフのもの、など、さまざまなオーダーがあるので、そのたびにどんなふうにしようかなと考えてます

Foodconcierge…最近の旬のものでオススメはありますか?

松島さん…フルーツと野菜を組み合わせるのは、簡単でおいしく、おしゃれに作ることができますよ。今回は「いちじくのサラダ」を作ってみたのですが、フルーツの味や酸味に負けないように、同じくらい強い味や香りを持つ葉と合わせるのが向いています

Foodconcierge…今回はさまざまなお惣菜を作っていただいたので、ケータリングのスタイリングにしたものと、お皿にのせてスタイリングしたものを撮影してみました。盛りつけのポイントを教えてください。

松島さん…ケータリングの時はもちろん、個々の盛りつけでもお皿の余白を楽しんで、モリモリに盛りすぎないようにすると美しく見えます。お皿は、フランスのアンティークや日本の作家さんのものを使用するのが好きなので、今回もそうしてみました。

自分が疲れない仕事の仕方

Foodconcierge…松島さんはまだ小さなお子さんがいて、なかなか外食が難しいかもしれませんが、どんなふうに料理のヒントを得ていますか?

松島さん…ちょっとした空き時間に外食をしたり、映画を観たりして、外からの刺激を受けるようにしています。育児と仕事だけになってしまうとやはり視野が狭くなってしまうし、育児に対しても仕事に対しても、自分が疲れてしまわないように、楽しんでやれるように、ゆとりを持っていたいと思っているんです

Foodconcierge…今後はどのようなお仕事をしていきたいですか?

松島さん…料理の楽しさやおもしろさを伝えていく仕事をしていきたいです。なにも珍しい食材を使わなくても、普通にスーパーに売っている食材でおいしくおしゃれなものが作れるということや、ただ焼いただけの野菜でも、その焼き色の付け方で美しく見えることなど、これまでわたしが学んできたことを伝えていきたいです

Foodconcierge…お料理教室をひらく予定はありますか?

松島さん…今すぐにはなかなかできないのですが、いずれそういうこともしていきたいと思っています

オリジナリティ溢れるお料理がつくれる料理家さんは、そう多くありません。味にも見た目にも厳しい編集者たちに好評なレシピには、松島さんの空間デザイン力や色彩感覚が発揮されています。知っている食材にも松島さんのカラーを感じるお惣菜は、真似できそうでできない絶妙な味のバランスでした。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

松島由恵/料理家・dorathefood主宰

建築業界で長く働いたのち、フレンチレストランでアルバイトしながら料理家の道へ。雑誌の撮影クルーやアパレル企業へのケータリングやお弁当宅配をはじめたところ人気が集まり、現在ではレシピ開発・スタイリングをメインに活動、時折ケータリング行も行っている。

 

吉川愛歩/料理ライター

出版社で勤務したのち、フリーライターに。子育てや暮らしにまつわる記事を執筆するなかで、得意な料理にジャンルを絞って活動するように。ライターとして食にまつわる記事やコピーを執筆する傍ら、料理家としてレシピ開発やフード撮影の調理、ケータリング業や出張料理も行っている。
 

松島さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:撮影 レシピ提供 ケータリング  など

CONTACT

hue_and@hue-hue.com

【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社アマナ

創設1979年4月28日
所在地本社:東京都品川区東品川2-2-43
主な事業内容ビジュアルコミュニケーション事業
資本金1,097百万円
従業員数(連結)1,107名※2020年1月1日現在
URLhttps://amana.jp