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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:田中奈津子

hue andで活躍する食のクリエイターにインタビュー!
フード業界にてさまざまな活動をするクリエイターは、どのようにその職業に就いたのでしょうか。これまでの経歴や仕事に対する思い、これからやっていきたいことなど、クリエイターの内なる部分にスポットを当てる「and people」。

今回は国際中医薬膳師として活躍する田中奈津子さんお話をに伺いました。
撮影を担当したのは、フォトグラファーの浦野です

肩書:国際中医薬膳師/田中奈津子さん

自身の健康を害したことから薬膳に興味を持った田中さんは、もともとレストランの店舗開発をする企業で働いていました。そのころに得た知識と薬膳という新たな軸を持ち、さまざまな方に薬膳のよさや食生活の大切さを伝える仕事をしています。

食生活が身体をつくるということ

レストランの店舗開発やテレビの撮影現場などで働いていた田中さんは、まさに昼も夜もなくめまぐるしい忙しさで生活していました。食事の内容はおろか、食べることさえ疎かにしていた毎日だったといいます。

Foodconcierge…そんな生活をする中で、体調が悪くなってしまったわけですね。

田中さん…毎日時間がないので一日一食、しかもいわゆるロケ弁と言われるような揚げ物ばかりが入ったお弁当を食べていて、今より15キロ近く太っていたんです。食に関わる仕事をしていてお恥ずかしいのですが、身体を壊してみてやっと、食べ物が身体をつくるのだという基本的なところに立ち返ることができました。そこから身体を調えるために、マクロビオティックやアーユルヴェーダなどさまざま学んでいったのですが、薬膳の論理や哲学に触れたときに、すとんと腑に落ちたんです

Foodconcierge …それはどういうところだったのでしょうか。

田中さん…薬膳には食べてはいけないものがないんですね。すべての食べ物に身体を調える働きがある、という考え方なんです。身体の中に余っている物は少し減らし、必要なものはたくさん取り入れてバランスを取るようにする、そういうシンプルで難しくないルールが入りやすく感じました

Foodconcierge …たしかに薬膳というと、どうしても面倒、難しそうというイメージがあります。

田中さん…そうですよね。漢方薬を食べ物に置き換えて補おう、というのが薬膳ですから、漢方に倣ってと思うと結構大変です。でもたとえば、陳皮と呼ばれるみかんの皮。漢方ではみかんの皮を3年以上干したものを使うのですが、薬膳ではみかんの皮を洗って干し、大根のお漬物と一緒に食べるだけでいいんです。陳皮ほどではありませんが、これでお腹が調います

Foodconcierge …そのくらいなら簡単にできそうですね。他には、薬膳をどのように生活に取り入れていますか?

田中さん…とってもシンプルなんですよ。乾燥していてちょっと喉が痛いなと思ったら、はちみつをお湯で溶かして、寒いなあと思ったらそこに生姜を入れたり。手軽にスーパーで買える食材でも薬膳を取り入れることができますから、我が家の子どもたちも“今日は咳が出るからはちみつ入れよう”なんていうふうに覚えてくれています

Foodconcierge …常備しておきたいおすすめの薬膳食材はありますか?

田中さん…クコの実がおすすめです。クコの実はパワーバランスがよく、お肉と煮込んだりシリアルにパラパラッと入れたり、そのままつまんだりと、使い勝手もよい優秀な食材なんです。ちなみにクコの実が添えてあることでお馴染みの杏仁豆腐は、身体や肌に潤いを与える杏仁(杏のタネ)を使いますよね。杏仁は冷えを和らげ、入っている牛乳も肌に潤いを与えるので、女性にぴったりのスイーツなんですよ

薬膳で未病をも防げるように

田中さんは自身の経験をとおして、病気になる前の“未病”を薬膳で改善していきたい思いがあります。現在では、薬膳の座学の講座をひらいたり料理教室を開催したり、漢方薬を扱うwebメディアで薬膳についてのコラムを執筆しています。

田中さん…たとえば、ちょっと疲れやすいとか冷え性だという症状では、わざわざお医者さんに行きませんよね。でもそれは、身体が悲鳴を上げているサインでもあるんです。蓄積していくと病気につながったり、不調なままでは仕事や暮らしのパフォーマンスが下がったりしてしまいます

Foodconcierge …そういう場合は、漢方薬も使うのでしょうか?

田中さん…わたしは、不調の度合いがあまりにもひどい場合に使うようにしています。漢方薬も“薬”ですから、調合してある生薬によっては少し身体に負担がかかることもあるのです。ですからなるべく普段馴染みのある食材で、身体のバランスを調えるようにしたいと思っています

Foodconcierge …なるほど、普段の食事で気をつけていたら、薬を使うほどひどくなりにくいというわけですね。

田中さん…そうですね。最近ではワンプレートで薬膳ランチを出すお店が出てきたり、好きな食材をブレンドしてブレンドティーとして飲むことができたりと、さらに取り入れやすくなってきていますし、若い方にもおすすめできるものが増えてきています

Foodconcierge …おすすめのブレンドを教えていただけますか?

田中さん…今回は、紅茶をベースに薬膳食材を合わせた温活ブレンドティーを作ってみました。身体を芯から温めて内臓の働きを活発にし、血液のめぐりをよくしてくれます

おすすめの薬膳ランチ2品

さて、前職のレストランの店舗開発では、シェフと一緒にメニューを考案してきた田中さん。星を獲得するような前衛的なアイデアを持つシェフたちとの仕事は、田中さんにも大きな影響を与えました。

Foodconcierge …さまざまな国のお料理に触れることができたお仕事だったのですか?

田中さん…そうなんです。たとえばタイ料理のシェフといっても、タイにばかりこだわっているわけではなく、あらゆるジャンルを掛け合わせてメニューを作るようなシェフたちばかりでした。そのようなシェフたちとともに働いたことで、薬膳もアジア料理でなければ合わない、と思うのではなく、どんなものに合うのか垣根をなくして考えていきたいと思っています

Foodconcierge …それでは薬膳を使ったランチとしておすすめのメニューを教えていただきましょう。まずはお友だちを招いたときのおもてなしにもなりそうな、ワンプレートのランチです。

田中さん…お腹を調える鴨と陳皮のポットごはんをメインに、りんごと人参のエスニックラぺを盛り合わせました

Foodconcierge …続いては、トーストにはちみつと黒ごまを塗った“黒ごまトースト”です。

田中さん…こちらはアンチエイジングと便秘緩和を目的にしたワンプレートで、さつまいもとバナナをトッピングしました。はちみつは潤いを与えてくれる食材なので、お肌がカサカサしてしまう、水分をあまり摂っていなくて便秘気味になってしまった、というときにもおすすめです

Foodconcierge …薬膳では、甘味料にはちみつを使うことが多いのでしょうか?

田中さん…そういうわけではないんです。甘味料は季節によって、または体調によって変えるのがよいでしょう。たとえば身体を温めたいなら黒糖、痰がからむときは、はちみつよりも氷砂糖を使うなど、食材ではなく調味料を変えるだけでも薬膳につながります。ちなみに黒ごまや栗などの黒っぽい食材は、アンチエイジングに役立つものが多いんですよ

Foodconcierge …色で覚えるというのも面白いですね。ところで、薬膳を取り入れるには自分の身体の調子をわかっておく、というのも大切になってきそうですね。

田中さん…そうですね。薬のように即効性があるわけではありませんから、ゆっくりじっくり身体のバランスをよくしていく、というふうに気長に捉えて実践していくのがよいと思います。わたしは今年で薬膳生活5年目になりますが、やっと今がいちばん健康だと思える身体になってきました

Foodconcierge …普段欠かさず取り入れているものはありますか?

田中さん…胃を強くしてくれる甘酒です。朝、空っぽの胃に、人肌にした甘酒を飲むところから一日をスタートさせています。人間にはいろいろ臓器がありますが、中でも一番重要なのは胃ではないかと思っているんです。人間は食べ物なしには動けませんし、胃は食べ物を吸収してエネルギーに替えることができる場所です。薬膳では、湿気は胃にダメージがあると考えられているのですが、湿度が高い日本では暮らしていますから、胃を強くしておくことを心がけています

Foodconcierge …甘酒は最近人気が高くて、スーパーでもたくさんの種類のものが出ていますから、すぐに実践できそうですね。ありがとうございました。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

田中奈津子/国際中医薬膳師

都内人気レストラン、カフェの店舗開発を経てフリーランスのフードコーディネーターに。30代半ばに体調を崩し、身体と心の健康維持について深く考え、様々な食事療法を試す中で薬膳と出会う。世界の料理に薬膳を取り入れたオリジナリティ溢れるフードコーディネート、料理教室を主宰。薬膳コラム等の執筆活動も。

 

吉川愛歩/料理ライター

出版社で勤務したのち、フリーライターに。子育てや暮らしにまつわる記事を執筆するなかで、得意な料理にジャンルを絞って活動するように。ライターとして食にまつわる記事やコピーを執筆する傍ら、料理家としてレシピ開発やフード撮影の調理、ケータリング業や出張料理も行っている。
 

田中さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:撮影 薬膳関連のイベントやレシピ提供  など

CONTACT

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【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社ヒュー

設立2005年3月
所在地東京都港区海岸3-5-1
主な事業内容広告を中心とするビジュアル制作事業
資本金1,000万円(株式会社アマナ出資比率:100%)
従業員数40名(2018年4月1日現在)
URLhttps://hue-hue.com/