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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:水嶋千恵

hue andで活躍する食のクリエイターにインタビュー!
フード業界にてさまざまな活動をするクリエイターは、どのようにその職業に就いたのでしょうか。これまでの経歴や仕事に対する思い、これからやっていきたいことなど、クリエイターの内なる部分にスポットを当てる「and people」。

今回はフードスタイリストとして活躍する、水嶋千恵さんにお話を伺いました。
撮影を担当したのは、フォトグラファーの浦野です

肩書:フードスタイリスト/水嶋千恵さん

料理じょうずなお母さんに、“子どものころ手作り料理を酷評された”というおもしろいエピソードを持つ水嶋さん。その負けず嫌いの精神が原動力になり、フードの世界に入ったのだそう。水嶋さんの料理には、楽器奏者として、商社マンとしてさまざまな国や地方で学んだ食文化が盛り込まれていました。

育っていった料理への思い

子どものころから食環境に恵まれていたという水嶋さんの家では、お母さんとおばあちゃんが台所を切り盛りしていました。クリスマスには七面鳥を焼き、オニオングラタンスープは2〜3時間かけて玉ねぎを炒めるところからはじめるような、食に長けたおうち。そんな中で育った水嶋さんは、自然とおいしいものに興味を持つようになりました。
水嶋

水嶋さん…母が作る料理はいわゆる家庭料理ではなく、スパイスから作ったカレーやエスニック、本格的な洋食ばかりでした。食育にも興味があったのか、娘の私に、おままごとは本物の包丁と野菜でやるように渡されたり、食材の絵を描くように言われたりと、変わった家でしたね

Foodconcierge…ということは、水嶋さんにとっては、肉じゃがやひじきがお袋の味ではないんですね。

水嶋さん…そうなんです。そんな母だったので、わたしがはじめて野菜炒めを作ったとき、まずい! と言われて食べてももらえなくて。そのときの悔しい思いがずっと胸にあって、料理を勉強したいなと思うようになりました

Foodconcierge …強い思いをずっと持っていらしたんですね。

水嶋さん…悔しいけれど、母や祖母の料理は手間がかかっていて丁寧で、とてもおいしいんですよね。今回一品目にご紹介するのは、その当時つくってもらったオニオングラタンスープを再現してみました

◆祖母がつくってくれた思い出のオニオングラタンスープ
玉ねぎをじっくり3時間かけて炒めたスープ。チーズは少し控えめにして、あっさりしたスープの味を大切にいただきます。

・スタイリングのポイント
朝食に食べることが多かったので、朝をイメージしたシーンに。ふつふつとスープが煮立つ音が聴こえてきそうなシズル感です。

音楽と料理は似ている?!

料理への思いもありながら、水嶋さんは中学入学と同時にクラシック音楽と出会い、音楽の魅力に引き寄せられていきました。

水嶋さん…今でもヴィオラという、ちょっと大きいバイオリンのような楽器を演奏しています。大学ではオーケストラに入って、音楽ばかりやっていました

Foodconcierug…音楽と料理は、感覚的な作業が多くて似ていると聞いたことがあります。

水嶋さん…音楽も料理も、その土地ならではの文化が根強く残っていますよね。その国にある資源や食材を活かすために、音も食も発展していったんだと思います

Foodconcierug…水嶋さんは料理なさるときも音を大切にすると伺ったのですが、どういうことでしょうか?

水嶋さん…料理中にも、音や食材から伝わってくる振動で、タイミングをはかっていることが多いんです。たとえば箸で揚げ物に触れてみて、そこから伝わる振動で“もう中までちゃんと火が通ったな”って確認したり、油の温度が180度まで上がったなとわかったり

Foodconcierug…そうなんですね!

水嶋さん…絶対音感はないんですけど、そのぶん音楽活動でも振動からの情報を大事にしているので、料理にもそれを活かすことができています

異文化を通して見えてきた食事情

音楽を通してヨーロッパに興味を持ち、また、その後IT系の商社に就職して出張が多くなったことから、さまざまな土地の食文化にも触れることにもなりました。これがまさに、水嶋さんの料理スキルの根底を培った年月となります。

Foodconcierug…海外ではどのように食文化を学んだのでしょうか。

水嶋さん…食事を楽しむのはもちろんのこと、マニアックな料理教室に通ったり現地の方と話したり、吸収できることはその場で吸収したい! と動き回っていました。食事って、その国そのものを表しているんですよね。わたしはハンガリーやオーストリアの料理が好きなんですけど、たとえばハンガリーはパプリカの生産面積も消費量もとても多い国で、ハンガリー料理にはパプリカが欠かせません。寒い国だから、保存食作りや保存性の高い食べ物を使ったメニューも豊かです。そうやって現地の人が編み出した食べ方に触れることが、とても楽しかったです

Foodconcierug…そんな水嶋さんが海外で出会ったお料理を2品、ご紹介いただきました。

◆フレッシュハーブをたっぷりのせた鶏肉のフォー
酸味を感じさせるとともに、グラニュー糖もたっぷり入れて甘みもしっかり味わえるスープ。ハーブをたくさんちぎって食べることで、異国の香りをさらに楽しむことができます。
フォー

スタイリングのポイント
ベトナムらしいビビットな色合いのテーブルウエアを奥に置き、ナチュラルで単調な色になりがちなフォーを引き立てます。

◆ハンガリーではおふくろの味と言われるロールキャベツ
パプリカパウダーをふんだんに使ったロールキャベツは、日本で言うところの肉じゃがのような料理。作る人の個性や伝統を感じられる一品です。
ロールキャベツ

スタイリングのポイント
寒い時期に食べるため、暖かい空気や湯気が伝わってくるような風合いに。カントリー感のあるクロスと、ナチュラルな鍋でぼやけないよう、レッドカランツの赤で引き立てます。

Foodconcierug…日本の中でも、地方への魅力を感じますか?

水嶋さん…そうですね。お酒や器、食べ物と、出張に行くたび地方の食文化に出会ってきたのですが、広めたいのにその地方の人しか知らないものや、埋もれてしまうものがあることを知りました。そういう地方の食材や料理などをアピールできる仕事に就きたいなという思いが高まって、やっと料理の世界に入ることに決めました

Foodconcierug…会社に行きながら、フードコーディネーターのスクールに通われたんですね。

水嶋さん…そうです。料理のことというよりは、カメラの知識やスタイリングについて学ばせていただいて、卒業と同時に会社を辞めました

Foodconcierug…潔いですね。

水嶋さん…仕事は全然なかったんですけど、いろんな料理家さんが、もっと料理の勉強した方がいいわよってアシスタントに入れてくださって。今でも人が足りないときは声をかけてくださるので、アシスタントに使っていただいています

Foodconcierug…活躍されていてかなりお忙しいと思いますが、今でもアシスタントなさっているんですか?

水嶋さん…フリーランスで働いていると、当然自分ひとりの仕事なので、外の様子がわからなくなってしまうんですよね。人からいろいろな情報をもらったり、人の仕事を見て学んだり、相談したり……。そういう、会社では自然とできていたことがフリーだとできなくなるわけですから、今でも勉強を兼ねて時々アシスタントに入らせていただいています

Foodconcierug…どんな方のアシスタントをなさっているんですか?

水嶋さん…シズル師さんやフードスタイリストさん、雑貨のスタイリストさんや料理家さんなど、さまざまな現場にお邪魔しています。とにかくスタートが人より遅いので、何でも見て学びたいんです

Foodconcierug…水嶋さんご自身もアシスタントさんにご協力いただくことがあるかと思いますが、どんなことに気を配っていますか?

水嶋さん…わたしがアシスタントとして入った先の方々は、アシスタントであっても、やってみなさいと重要な部分を任せてくださることがよくあります。言われたことだけやるのではなく、自分で考えてやりなさいと言われたこともあったので、わたしがアシスタントに入ってもらうときも、基本的にはお任せするようにしています。アシスタント側はそれで勉強になったり自信がついたりしますし、実は入ってもらっている側としても、アシスタントの一声で気づくことがあったり、アイデアを勉強させてもらったりしているんです

常に“なんのためにやるのか”を考える

Foodconcierug…テレビや映画のフードスタイリングにも関わるようになり、あっという間に売れっ子になっていった水嶋さんが、仕事を引き受ける上で大切にしていることはなんでしょうか?

水嶋さん…どんな仕事にも共通しているのは、なんのためにやるのか、を考えることです。誰が必要とするレシピなのか、どんな人が読むものなのか、誰のために料理をつくるのか。そこから一番受け入れられるものは何かを考えて、料理をつくっています。スタイリングも自分のセンスありきではなく、クライアントがどうしたいのかを引き出してつくっていくことを念頭に置いています

Foodconcierug…今後はどのようなお仕事をしていきたいですか?

水嶋さん…芯としていつもあるのは、地域にあるものを打ち出すお手伝いができるようなお仕事をしたい、ということですね

Foodconcierug…最近注目している食材はどんなものでしょうか?

水嶋さん…湘南生まれ、湘南育ちということもあって、湘南野菜や湘南小麦はぜひご紹介したいです。石臼でゆっくり時間をかけて挽いた湘南小麦は、香り高いんです。湘南小麦を使った“太陽のパンケーキ”というパンケーキミックスは、水を入れるだけでふんわりおいしいパンケーキになるのに、余計なものが一切入っていなくて、粉の味が楽しめる味わいです

◆カラフル野菜と食べる湘南小麦のパンケーキ
湘南小麦の香りと甘みを味わえるよう、トッピングにもシンプルな味が楽しめるものをセレクト。きれいな色の野菜をペースト状にして、お子さんにも楽しんで食べてもらえるパンケーキです。
パンケーキ

スタイリングのポイント
ホームパーテイーでも楽しめるようなパンケーキの食べ方を提案。めずらしくて色鮮やかな湘南野菜で、楽しげな雰囲気をつくりだしています。

さまざまなメディアで活躍している水嶋さんの料理は、何年もかけて培った思いと学びの上に成り立っていました。クライアントに対する丁寧な聞き取りや、ニーズに合わせたスタイリングは、水嶋さんが“売れっ子”になった理由のひとつでもあります。まだまだ学びたいというハングリーな思いを持っている水嶋さんの活躍に、ぜひ注目してみてください。

ご協力いただいた食のクリエイター

水嶋水嶋千恵(みずしま ちえ)/フードスタイリスト

IT系商社に勤務したのち、フードコーディネータースクールでスタイリングや料理を学ぶ。Webメディア、企業広告、書籍のほかTV番組の料理など幅広く活動している。

 

吉川愛歩/料理ライター

出版社で勤務したのち、フリーライターに。子育てや暮らしにまつわる記事を執筆するなかで、得意な料理にジャンルを絞って活動するように。ライターとして食にまつわる記事やコピーを執筆する傍ら、料理家としてレシピ開発やフード撮影の調理、ケータリング業や出張料理も行っている。
 

水嶋さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:撮影 レシピ提供 など

CONTACT

hue_and@hue-hue.com

【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社ヒュー

設立2005年3月
所在地東京都港区海岸3-5-1
主な事業内容広告を中心とするビジュアル制作事業
資本金1,000万円(株式会社アマナ出資比率:100%)
従業員数40名(2018年4月1日現在)
URLhttps://hue-hue.com/