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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:平野みゆき

食ライフのプロにインタビューこのシリーズはand.で活躍する食のクリエイターたちの“いま”を探るべく、普段の飾らない素顔や仕事内容をのぞいてみました。プロだからこそ知るテクニックや裏事情は、目からウロコ!知って得する情報も盛りだくさんでご紹介していく連載です。
今回、担当してくれたのはフードクリエイターでパティシエの平野みゆきさん。
撮影はフォトグラファー近藤恵佑が担当しました。

肩書:フードクリエーター、パティシエ

いま、レシピ提案ができる料理家さんは、多方面で活躍されています。今回、お会いした平野みゆきさんは、レシピ提案だけではないところが最大の魅力です。店舗の目指したい方向性によって、料理の見栄えから、お客様の反応まですべてを熟知。新しい商品の提案がトータル的にできる、フードクリエーターさんです。

 

キーワードは、色っぽさ!?

FoodConcieruge…元々、パティシエさんからのスタートだと伺ったのですが、パティシエを目指したきっかけを教えてください。お菓子づくりが好きだったのですか?

平野さん…幼少の時、父が今でいうプチフールのような一口サイズのケーキを買ってきてくれたのです。私は3姉妹なのですが、たぶんケンカをしないようにいろいろと種類が入っている詰め合わせを買ってきてくれたのだと思うのですが。その中に、キラキラと光るゼリーがのったようなケーキがありました。それをみて色っぽいな、と(笑)。後からわかったことですが、それがナパージュでした。ナパージュに惹かれてしまったのです。

FoodConcieruge…子どもながらにナパージュに色っぽさを感じたとは早熟! でも、何だか分かる気がします。美しいですよね~。

平野さん…そうなのです。デザートで艶っぽさを表現したいというのが、パティシエになりたいと思ったきっかけでした。

FoodConcieruge…平野さんのレシピは、色が浮かぶといいますか、色彩をすごく考慮されているのが伝わります。

平野さん…レシピを考えるときに、先に仕上がりのビジュアルが浮かぶというのはありますね。

FoodConcieruge…フリーランスになられる前は、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?

平野さん…前職は、飲食部門とクラブ(音楽・ラジオ)部門を手掛ける会社でした。そこで、私は飲食部門の商品開発マネージャーとして全体を管轄していました。

FoodConcieruge…レシピ開発をされていたということですね。

平野さん…はい。エリアは、東京都の渋谷がメインで店舗展開をしている会社だったので、トレンドに意識が高い若者がターゲットでした。そのため、見た目のインパクトも重要視したメニュー開発の提案や、ケータリングなども手掛けていました。

FoodConcieruge…店舗の商品開発とケータリングのメニュー開発までを幅広く担当されていたのですね。お客側の目線でいうと、注文した料理にインパクトがあったり、写真映えするようなものが出てきた時はとてもうれしいものです。つい誰かに教えたくなるから、口コミ効果にも一役買いそうです。ケータリングは、持ち運びなど大変そうですが、何か気を付けていたことはありますか?

平野さん…ケータリングの場合は、大皿のビュッフェスタイルよりもピンチョスやフィンガーフードなど、気軽に手に取れる小さなものを彩りよく揃えるようにしていました。現場での最終盛りつけなども任されていたので、搬入の際には形を崩さないように、大型のバットやソースポットなどでの移動も多かったです。通常サイズではなく、ミニサイズでいかに美味しそうに演出するかが見せ場でした。ケータリング先の空間や客層、イベント内容によって趣向を凝らして、臨機応変に構成を考えていました。

 

スキルと柔軟力を高めて

FoodConcieruge…チェーン店のレシピ開発で特に気にしていた点や、注意していたことなどはありますか?

平野さん…各店舗の厨房スタッフのスキルや揃っている機器なども違うので、まとめていくのは、大変な部分もありましたね。商品の細かい修正などは、社長や他のスタッフの意見を聞きながら調整していくのですが、求められていることを探りながら形にしていく作業は、とても時間がかかります。自分では思ってもみないことを現場から突っ込まれたりすることもありますから。

FoodConcieruge…現場サイドからは、どのようなことを意見として言われるのでしょうか?

平野さん…ストローの太さとか、言われたことがあります(笑)。

FoodConcieruge…太さ? すごい細部にまでこだわるのですね~!

平野さん…その時はドリンクの提案だったのですが、ストローが細すぎて吸えないと言われました。「君の肺活量は、他の人に比べて優れているかもしれないが普通の女性は吸えないよ」と(笑)。盲点だったので、すごく勉強になりましたね。

FoodConcieruge…確かに! 自分では想像もしないところから球を投げられている感じ(笑)。その変化球を打ちまくっていたわけですね。

平野さん…だいぶ鍛えられましたね。お店によっては、使い捨ての器などを好むこともある中で、高価ではなくても随所に個性を散りばめる。他店との差別化を図る手法はそこで学びました。お客様の立場になってよりインパクトのあるフード提案とメニュー名提案をしていきたいという思いが強まりました。

FoodConcieruge…都内の目の肥えた方々を虜にするメニューが提案できる。それって、すごく強みですよね。
お皿やグラスのカトラリー類を選定、見栄えのする料理を提案しつつも厨房もしっかり動かせられるノウハウは、普通の料理家さんとはまた全然違うスキルだと思います。

平野さん…パティシエからのスタートですが、フレンチやイタリアンの厨房にもいましたので、基本的な調理はすべてマスターして提案ができるというのもあるかもしれません。シェフに1から教えてもらって、ひたすら牛骨を叩いたり、ひたすら魚をさばいたり、ひたすらオムレツを巻いたり(笑)。
その中で、フードでも色は楽しめるということを知りました。

FoodConcieruge…そうですよね。野菜や果物など食材の色って鮮やかなきれいな色をしているものも多いですしね。

平野さん…食材と調理法をどんどん知るようになって、さらに料理が楽しくなっていきました。一緒に働かせていただいたシェフもいろいろとトライする柔軟性のある方が多かったので、学びが大きかったです。

 

フードでパフォーマンス!

FoodConcieruge…シェフから学んだことで印象的だったことはありますか?

平野さん…カテゴリーに捉われず、フレンチでもライスペーパーを使うような意識の高いシェフでした。他ジャンルの食材を取り入れてひと工夫ある料理は、大きな学びでしたね。枠を超えた提案ができるようになりました。

FoodConcieruge…なるほど、さらに意外性のある料理提案ができるようになったわけですね。

平野さん…パッとインパクトを与えるようなフードでパフォーマンスをしたいのです。食事をすることは日常ですが、外食は非日常だったりするので、作り手としては非日常感を演出した料理を提供していきたいというのはあります。

FoodConcieruge…フードでパフォーマンス! とてもいい表現ですね。そして今回作っていただいたメニューもどれも驚きの多い見た目とメニュー名でした。

平野さん…働いていたエリアが流行に敏感な若い人たちが中心だったというのもありますが、みなさんiPhoneなどで撮影をされる方が多い。それは、自分の非日常感を公開する行為なのかな、と。「こんな素敵な発見があったよ!」って。その感覚はとてもよく分かる。私は、お客様に「日常の中に非日常感」を提案し、演出していくのが好きなのです。

FoodConcieruge…自分の中にいつもテーマがあるのですよね、きっと。
新しい店舗の提案をする時は、どのように構築していくイメージなのでしょうか?

平野さん…ゴールからスタートに向かって下っていく感じです。美味しくて、見た目がいいのは大前提です。そのうえで、現場スタッフのスキルとか、環境とか、厨房機器を考えると難しいことはたくさんあります。行ったり来たりしながら、改良を重ねて形にしていくやり方ですね。

FoodConcieruge…限られた厨房機器を見越した上で、レシピ提案をしなければいけないとなると制限が多くて、本当に難しそうです。店舗ごとに提案法もそれぞれ違うわけですよね?

平野さん…そうですね。まず、何を主体にした店であるか、お店の席数、厨房の大きさをみて、だいたいこれくらいの規模だったらすでに既存のメニューで提案されていそうだ、とかをリサーチしていきます。それを加味して、本当はパワーミキサーで作った方がいいけれども、ハンドミキサーしかないのであれば、そこまでの手順に変えながら簡略化していかなければいけない。私が作れたとしても、ここの厨房スタッフがずっと作れるメニューかどうかも重要です。

FoodConcieruge…確かに、平野さんがずっと厨房スタッフに指導できるわけではないのですものね。

平野さん…はい。そのメニューが3か月でいいのか。半年のものなのか、それとも定番化していきたいものなのかによっても違います。定番化されるようであれば、なるべくお店としてインパクトを残しつつ、スキルとしては高いものを要求しない。現場の負担をできるだけ軽減したメニューに改良していきます。特に、お店の環境を考慮しながら無理のない範囲で提案していくことを心掛けていますね。

FoodConcieruge…全体を俯瞰で観られるのは、平野さんの武器だと思います。レシピ開発としてレシピのみは提案できても、いざ店舗に落とし込んだ時に、スタッフが全然作れない!では困ってしまう。マニュアルに関しても厨房のトップは理解できても、アルバイトなどスタッフ全員が作れるレシピ提案を考えられるとなると、料理家さんでも稀有な存在です。

平野さん…俯瞰で観るのはクセなのかもしれないです。ずっとお店に関わっていますし、何店舗かやらせていただいた中で、スタッフのスキルの違いや厨房機器の違いなどを乗り越えてやってきましたので。もしかしたら、来年はそのスタッフは店にいないかもしれない、と考えたら誰にでも手軽に作れるレシピ開発にしなければいけません。

FoodConcieruge…そうですよね。きちんと継承していくためにも、的確な指導なり、マニュアル作りをしていかなければいけないですよね。まさにフードクリエーターならではのお仕事で、とても遣り甲斐があるのが分かりました。
次回は店舗づくりのスタートから、平野さんを密着取材したい気分です。本日は、ありがとうございました!

平野さんに、お仕事を依頼されたい方はFoodConcierge までお問い合わせくださいませ。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

平野みゆき/フードクリエーター、パティシエ

外食企業に勤務、調理・運営や新店舗立ち上げなど経験した後、商品及びレシピ企画開発とメニューコーディネートを担当。
フリーに転向後、撮影アシスタントを経てフードクリエーターとして独立。
広告・動画の撮影やレシピ考案、店舗メニューの開発などの分野で活動中。

資格:食品衛生責任者

 

川越晃子/たべものライター&編集<川越晃子/たべものライター&編集>

出版社勤務後、フリーランスへ。食の取材を中心とした本の企画・構成をはじめ、レシピ作成やスタイリングを含めたトータルコーディネートなどを手掛けている。“食べるものによって、人の体も心も育まれる”という考えをモットーに、食べ物の裏側にある環境や農業、栄養学にも関心が高い。
著書に、日本の食文化をまとめた『おにぎり』、『まるベジ・ドリンク』共にグラフィック社刊などがある。
現在、フードスタイリスト、料理カメラマンとの女性3人のフードユニット「Soup Caravan」を結成中。

今回作ったレシピはこちら(@hueand_and)

平野さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:企業向けレシピ開発・店舗用メニュー開発・撮影調理・メニューレシピマニュアル制作・店舗立ち上げ時のご相談 など

CONTACT

hue_and@hue-hue.com

【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社アマナ

創設1979年4月28日
所在地本社:東京都品川区東品川2-2-43
主な事業内容ビジュアルコミュニケーション事業
資本金1,097百万円
従業員数(連結)1,107名※2020年1月1日現在
URLhttps://amana.jp